就業規則の見直し・原稿は必要?働き方改革の対応を解説

働き方改革
就業規則見直し

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【筆者】かじ社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 加治直樹
大学卒業後、国家公務員、中国への社会人留学、中小企業の総務人事業務を経て、ポータルサイト「こころの耳」運営事務局で、働く人向けのメンタルヘルス情報を提供。社会保険労務士として四つ葉事務所を設立後は、これまでの経験を活かし、メンタルヘルス研修の講師や人事労務管理の指導で中国人経営者にも対応している。

長時間労働の是正や待遇格差の解消など「働き方改革」に関するニュースを最近よく耳にします。しかし、具体的な就業規則の変更ポイントがわからない方は多いのではないでしょうか。
 
今回、就業規則をいつまでにどこを見直した方がいいかについて解説していきます。就業規則の見直しは今からでも間に合いますよ。
 

就業規則には必ず記載するものとそうでないものがある?

就業規則の絶対的必要記載事項とは?

就業規則は労働契約の具体的な内容を定めるものなので、企業の実態に合わせて作成しなければなりません。
 
法律上の解釈は難しい表現になってしまうのですが、労働条件は就業規則に定められているという事実、つまり、「就業規則は職場のルール」と労使間で認識があることにより、法的規範性が認められるといわれます。
 
「就業規則が合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、法的規範としての性質を認められるに至っているものと解すべき」との判例上の解釈もあります。
 
民法92条の「慣習による意思」が成立しているものとして、就業規則が合理的な労働条件を定めたものであれば、労使当事者に法的な拘束力が発生することになります。
 
なんだか難しい表現ですね。
簡単に言うと、就業規則に定めがないことは労働条件として成立せず、拘束力はないので会社も命令できないということになります。
 
定める内容は大きく分けて2種類。必ず定めなければならない「絶対的必要記載事項」とルールがあるなら必ず記載しなければならない「相対的必要記載事項」の2つ。
 
必ず定めなければならない「絶対的必要記載事項」は何があるのかを見てみましょう。
 
<絶対的必要記載事項>
①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交代制の場合には就業時転換に関する事項
②賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③退職に関する事項(解雇の事由も含む)
 

就業規則の相対的必要記載事項とは?

簡単にいうと、事業所の労働者に共通して適用するルールがあれば、なにかしらの形で就業規則にすべて定めなければならないのが「相対的必要記載事項」。
 
どのようなものがあるかを見てみましょう。
 
<相対的必要記載事項>
④退職手当に関する事項
⑤臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
⑥食費、作業用品などの負担に関する事項
⑦安全衛生に関する事項
⑧職業訓練に関する事項
⑨災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑩表彰、制裁に関する事項
⑪その他全労働者に適用される事項
 
就業規則をきちんと整備しておかないと、ルールがないので従業員は従う必要もなく、会社も命令することも罰することもできないことになります。
 
「労働者が10人未満の会社は就業規則を労働基準監督署に届ける義務がないので作らない」とときどき耳にしますが、それは実はとっても危険な状態なのです。
 
参考:就業規則を作成しましょう-厚生労働省
裁判例情報-裁判所

 

すぐにでも対応したい就業規則!法改正の種類と施行日は?

「働き方改革関連法」が2018年7月に施行されました。これにより主要な関係法律が改正され、2019年4月から順次施行されています。
 
中小企業と大企業では同じ法律でも施行時期が異なり、「法律の種類も多くてわかりにくい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
 
働き方改革関連法案の中で、就業規則に影響するものを3つのグループにわけて簡単に整理してみます。
 

労働時間に関する制度の見直し

<長時間労働の是正>
 ①時間外労働の上限規制の導入
  (労働基準法:大企業2019年4月1日 中小企業2020年4月1日施行)
 ②中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の見直し
  (労働基準法:2023年4月1日施行)
 ③使用者の時季指定による年次有給休暇
  (労働基準法:2019年4月1日施行)
 ④医師による面接指導制度の拡充
  (労働安全衛生法:2019年4月1日施行)
 ⑤労働時間の状況の把握の実効性確保
  (労働安全衛生法:2019年4月1日施行)
 
①から⑤までの長時間労働の是正は、最重要項目です。時間外労働の上限規制は、毎年労働基準監督署に提出する36協定にも大きく影響します。最優先で就業規則を見直ししましょう。
 
②の月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(割増賃金率50%以上)の見直しは、企業の収益に大きく影響を与えます。
 

多様で柔軟な働き方の実現・勤務間インターバル制度の普及促進

<多様で柔軟な働き方の実現・勤務間インターバル制度の普及促進>
 ⑥フレックスタイム制の見直し
  (労働基準法:2019年4月1日施行)
 ⑦特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
  (労働基準法:2019年4月1日)
 ⑧勤務間インターバル制度の普及促進
  (労働時間等設定改善法:2019年4月1日施行)
 
⑥⑦⑧は今回新しく制定された制度です。
 
フレックスタイム制も清算期間の上限が3か月に延長されました。高度プロフェッショナル制度・勤務間インターバルも大きな話題を呼んでいます。導入を検討している会社も多いことと思います。
 

雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

<不合理な待遇差を解消するための規定の整備(同一労働同一賃金の新ルール>
 ⑨パート・有期雇用労働者
  (パートタイム・有期雇用労働法:大企業2020年4月1日 中小企業2021年4月1日施行)
 ⑩派遣労働者
  (労働者派遣法:大企業2020年4月1日 中小企業2021年4月1日施行)
 ⑪待遇差の不合理性の判断に関するガイドライン(同一労働同一賃金ガイドライン)の根拠規定を整備
  (パートタイム・有期雇用労働法 労働者派遣法:大企業2020年4月1日 中小企業2021年4月1 日施行)
 ⑫労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  (パートタイム・有期雇用労働法 労働者派遣法:大企業2020年4月1日 中小企業2021年4月1 日施行)
 
同一労働同一賃金の新ルールで、アルバイト・パートタイマー・派遣社員の働き方も大きく変わります。
 
アルバイト・パートタイマー・派遣社員を貴重な戦力として雇用している企業にとっては、就業規則だけではなく人件費そのものの考え方も大きく変わるのではないでしょうか。
 
正社員の休みが増えて労働時間が減少し、非正規社員の活躍により、正規・非正規労働者の待遇差が一気に縮まります。
 
賃金規程や休暇のルール、アルバイト・パートタイマーの新しい手当の創設や正社員転換のルール作りが必要となります。
 
「施行はまだ先」と安心してはいられません。今から検討しておかないと、あっという間に施行の時期が来てしまいます。
 
自社の就業規則から内容を変更すべきもの、施行時期が異なるので早急に対応すべきもの、新たに導入を検討しているもの分けて、スケジュールを組むのがよいでしょう。
 
参考:働き方改革関連法に関するハンドブック-厚生労働省
 

今からでも間に合う?すぐにでも見直したい就業規則

働き方改革と一言でいっても、法律は8つに及んでいて就業規則の見直しは簡単ではありません。「何から手を付けていいのか」と悩んでいる方のためにも、すでに施行されていて、早急に対応したい項目を中心に解説します。
 
先にあげた内容から就業規則に影響するものをそれぞれ整理しました。「絶対的必要記載事項」は就業規則を見直すの時に優先順位が高いものです。
 

時間外労働の上限規制の導入

大企業はすでに施行されており、中小企業は2020年4月1日施行となります。
 
就業規則には「労使協定に定める」とだけあり、具体的な労働時間まで記載がなければ、変更する必要はないかもしれません。
 
ただし、労働者が長時間労働とならないように企業イメージのアップとモチベーションの向上、業務効率化の推進という視点でアピールするなら、就業規則に定めることも検討したいところです。
 

使用者の時季指定による年次有給休暇

10日以上年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日については労働者に年次有給休暇を取得させることが使用者の義務となりました。休暇は「絶対的必要記載事項」に該当し、就業規則に記載する必要があります。
 
労働者が有給休暇を取得しない場合、付与した日(基準日)から1年以内の5日について、使用者が時季を指定して取得させなければなりません。
 
労働者に意見を尊重して時季指定を行う必要があるため、指定方法のルールを定める必要があります。具体的な記載例など厚生労働省のHPでモデル就業規則を公開していますので、是非参考にしてください。
 
年次有給休暇の計画的付与で5日の取得義務が守られているなど、5日の取得が確実に守られている状態なら、就業規則に時季指定の定めがないことだけをもって直ちに法律違反となるものではありません。
 
年次有給休暇の時期指定義務は2019年4月にすでに施行されています。5日取得を義務付ける制度がない場合は、早急に対応をしてください。
 

安全衛生に関する事項

  • ・医師による面接指導制度の拡充
  • ・労働時間の状況の把握の実効性確保
  • ・労働者の心身の状態に関する情報の必要な範囲内での収集・保管・使用
  • ・健康情報の適正管理義務

安全衛生に関する事項は「相対的必要記載事項」になり、ルールがあれば就業規則に定めることになります。
 
一般労働者の長時間労働者に対する面接指導の実施義務の対象要件が、時間外・休日労働1か月あたり100時間超から80時間超に拡大されています。また、新技術・新商品等の研究開発業務従事者への実施義務も新たに加わりました。
 
これを受けて、事業者は労働者の労働時間の状況を把握しなければならないことが労働安全衛生法に明記されました。
 
長時間労働の面接指導や労働時間の把握方法を就業規則に具体的に定めている場合、法改正により修正が必要となります。
 

新たに設けられた制度

  • ・フレックスタイム制の見直し
  • ・特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
  • ・勤務間インターバル制度の普及促進

新たに設けられた制度です。導入する場合は慎重に判断し、就業規則に定める必要があります。
 

  • ・衛生委員会への産業医の勧告の内容等の報告義務
  • ・産業医に対する情報提供義務

労働者50人以上の事業場が対象です。安全衛生に関する事項は「相対的必要記載事項」となり、対象となる事業所は、就業規則に定める必要があるでしょう。
 
参考:働き方改革関連法に関するハンドブック-厚生労働省
年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説-厚生労働省

 

施行日はまだ先?今からでも見直しの準備をしておきたい就業規則

不合理な待遇差を解消するための規定の整備(同一労働同一賃金の新ルール)

施行日がこれからといっても、今から準備しなければ間に合いません。
 
特に「同一労働同一賃金」の新ルールは現在注目を集めています。今からでも情報収集をして、就業規則にどのように具体的に定めるかを検討しておく必要があります。
 
<不合理な待遇差を解消するための規定の整備(同一労働同一賃金の新ルール)>

  • ・パート・有期雇用労働者・派遣労働者の不合理な待遇差の解消
  • ・待遇差の不合理性の判断に関するガイドライン(同一労働同一賃金ガイドライン)の根拠規定を整備
  • ・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

働き方改革関連法案の目玉の一つである同一労働同一賃金の新ルールがあります。大企業は2020年4月1日、中小企業は2021年4月1日から施行されます。
 
従来の「パートタイム労働法」に有期雇用労働者に関する不合理な労働条件の禁止を定める労働契約法20条の規定が統合されました。
 
これに伴い、パートタイム労働法は「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)」と名前が変わります。
 
正社員のみの事業所であれば就業規則を見直しする必要はありませんが、パート・アルバイト・有期雇用労働者を採用している企業は大きな影響を受けます。
 
労働条件から賃金規程の細部まで変更する必要が生じます。各手当の設計から福利厚生施設、教育訓練、待遇に関する説明義務など広い範囲にわたって見直す必要があります。
 

中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の見直し

大企業はすでに義務付けられていますが、中小企業も猶予措置が撤廃され2023年4月1日に施行されます。月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上となります。
 
時間外労働の減少を今から取り組まないと人件費の高騰など企業業績にも影響を与えかねません。
 
業務の効率化や職務内容の見直しはすぐにできるものではありません。事業計画に人件費の推移を盛り込み、今からでも対応できるように準備をしておきたいところです。
 
特に中小企業では、残業代の増加は経営に大きな影響を与えてしまいます。人手不足に加えて人件費の増加が重なることは避けなければなりません。
 
賃金の計算に関することですので、就業規則や賃金規程にも明記する必要があります。
 
参考:パートタイム・有期雇用労働法周知リーフレット 20190121-厚生労働省
働き方改革に関する Q&A
同一労働同一賃金ガイドライン-厚生労働省
パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書-厚生労働省

 

まとめ

就業規則の見直しには思っている以上に時間がかかります。施行時期も大企業と中小企業では異なり、企業によって導入している制度も異なります。場合によっては、就業規則の見直しを専門家に見てもらうことも検討しなければなりません。
 
業種特有の考え方や自社独自の働き方も就業規則にしっかりと反映させ、労使共に働き方改革に取り組むことで、生産性の向上や業務の効率化、企業の業績アップにつながるのです。
 
働きやすい会社を作る第一歩として、就業規則の見直しに取り組みましょう。

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