逆マタハラ社員の特徴と対策、周囲はどう対応すればいい?

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近年は結婚や出産後も仕事を続ける女性が多くなり、多くの企業が子育て支援の制度を導入しています。
一方、出産や子育てで社員が仕事を離れることで、残された職場の同僚などに業務のしわ寄せが来てしまうことがあります。
 

それが、逆マタハラです。
 

ここでは、逆マタハラ社員の特徴や対策についてご紹介します。
 

逆マタハラとはどういうもの?

逆マタハラは職場の人に大きなしわ寄せを与える

マタハラという言葉はよく耳にすることが多いかと思います。
しかし、逆マタハラという言葉にはなじみがないという方もいるのではないでしょうか?まずは、マタハラと逆マタハラの違いについて、以下に説明します。
 

マタハラとは

マタハラ(マタニティ・ハラスメント)とは、女性社員が妊娠や子育てをきっかけにして受ける嫌がらせや差別行為を指し、セクハラ(セクシャル・ハラスメント)、パワハラ(パワーハラスメント)と並んで3大ハラスメントのひとつとされています。
 

例えば、責任のある仕事から外されたり、「産休や育休を取るなら退職してもらう」といわれるなどの嫌がらせを、上司などから受けることです。
 

厚生労働省が平成28年度に出した、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での法施行状況によると、
 

「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(第9条関係)」「妊娠・出産等に関するハラスメント(第11条の2関係)の相談合計は年間7,344件と、雇用環境・均等部(室)への相談の中で34.4%も占め、セクシャル・ハラスメントに関する相談と同数程度寄せられているので、多くの労働者が悩むハラスメントの一つです。
 

平成29年にマタハラ防止措置が義務化されて、非正規の労働者を含めて妊娠・出産を理由にした差別や嫌がらせを法律上で禁止をしています。
 

逆マタハラとは

産休や育休などの利用で残った現場社員に過度な負担を強いること、また産む側の制度の乱用や、フォローする上司や同僚に対する配慮の欠いた言動でストレスを与えることを指します。
 

育休・産休などで、当事者が休んでいる間は、そのフォローを他の社員がしなければならなくなります。そのことにより、仕事量の増加や激務になり、周りに過剰なしわ寄せが来てしまいがちです。
 

その負担が評価・給料に反映しない場合は、徒労感や不満が蓄積して、最悪の場合は精神を病んだり、退職に至る場合も考えられます。
女性社員が妊娠や子育てのためには、子育て支援の制度を利用して当たり前という考え方を平気でしていることもあるでしょう。
 

子育てのために、企業の支援を利用するのは悪いことではありませんが、同僚などへの配慮は大切なことです。
自分がいない間に仕事をフォローしてくれることへの感謝や礼儀がないと、その心ない態度によって周りが苦しめられることも多いものです。
 

こういった周囲への配慮を欠いた言動などで、職場の雰囲気を悪化させてしまう点も逆マタハラの大きな問題の一つです。
 

逆マタハラ社員の特徴を知っておこう

産休・育休などの制度を乱用しがちである

逆マタハラを防ぐためには、逆マタハラ社員の特徴を事前に理解しておくと良いでしょう。
それぞれの社員に個人差はあるかもしれませんが、共通しがちな特徴を以下にお伝えします。
 

1.自分中心の考え方で子育て支援制度を利用する

 

妊娠をしたら産休や育休を取るのは当然だと思っており、上司などにその報告や相談をしないまま過ごす人もいます。
そして、なかには部署のことや自分の仕事のことを考えずに、仕事を請け負ってくれる感謝の言葉や引き継ぎもしないまま、産休などに入ってしまうケースも。
 

子育て支援制度を利用することは、社員の権利ではありますが、仕事は一人だけで行えるものではありません。
 

残された人に配慮がない人は、逆マタハラ社員になってしまう可能性が高いです。
 

2.制度の盲点を探し出し、自分に有利なライフスタイルを作る

 

一般的に産休と育休が終われば、制度を利用した社員が職場に戻ってくることを周りは想定しています。
ただ、もっと休んでいたい、まだ仕事と子育ての両立をするのはきついなどの個人的理由で、制度の盲点を意図的に使う人も。
 

例えば、人気のある保育園のみに申し込みをし、わざと子どもが入園できない状態にして育休を延長するという「わざと保育園に落ちる問題(保育園の不承諾通知歓迎問題)」があります。
 

そして、「保育園に落ちたから仕事復帰ができないと訴えて、仕方がないから育休を延長してほしい」と平然と伝える逆マタハラです。
 

仕事のミスなどを妊娠のせいにする

妊娠をすると体調の加減で、いつものように働くことが難しい場合があります。
特に妊娠初期は、つわりなどで苦しむ社員もいることでしょう。
 

ただ、逆マタハラ社員は、どんなときでも身体の調子を言い訳にする人もいます。
 

例えば、「妊娠しているせいで体調が悪かったので、ミスをした」などと、すべてを妊娠のせいにするケースも少なくありません。
また、特定の仕事や責任のある仕事を避けたい場合、「妊婦にその仕事は無理です」ともっともらしく答える人も。
 

妊娠というワードを利用することで、責任転嫁をしてしまうのです。
 

その他「逆マタハラ」的な言動

下記の様な言動は、「逆マタハラ」に捉えられてもおかしくない言動です。

  • 「育児が大変・・・」という言葉を職場で連呼する。
  • 妊娠中の自分の体の状態を鑑みずに、無理をして「出来る!」と言い張り、最終的に周囲に迷惑をかける。
  • 何かについて「マタハラ」だと、言って周囲に対して抗議する。
  • 周囲の気遣いを当然のことと考え、感謝やお礼も言わない。
  • 産休や健康診断について打診をすると、「マタハラだ!」と言って怒る

 

上記の様に、妊婦や育児中という立場を最大限に利用して、仕事や周囲に対する気遣いを全くせず、過剰な被害者・権利者意識で職場に迷惑を掛けたり、周囲に圧力を行う社員を、、「お妊婦様問題」「モンスターワーママ問題」とも言います。
 

実際にあった逆マタハラをめぐる問題とは

化粧品会社・資生堂の事例

化粧品会社の資生堂は、子育て支援制度が充実しており、すでに1991年から短時間勤務制度を導入しています。
しかも、子どもが小学校3年生になるまで、この制度を利用することができるのです。
 

そのため、ある程度子どもの手が離れるまで、母親は仕事と育児の両立をすることが可能となっており、女性社員が多い資生堂ならではの魅力的な制度です。
 

また、ビューティーコンサルタント(BC)と呼ばれる化粧品の販売員は、通算5年の休職を認められたり、育児中は午後5時までの時短勤務など、様々な子育ての支援を受けることができました。
 

しかし、残念ながらこれが逆マタハラの原因となってしまいました。
資生堂では、2014年の時点で短時間勤務制度利用者が1,800人を超えていました。時短勤務の利用者は午後5時までには帰宅してしまいます。
 

一方、売り場が忙しくなる時間帯は午後5時以降からなので、その分はベテランや若手社員にしわ寄せが一気にくるような形になりました。
 

しかし、これでは現場のシフトが上手いようにはまわらず、短時間勤務制度利用者以外の社員に、大きな負担が強いられるようになったのです。
 

結果として、資生堂は制度の見直しをせざるを得ませんでした。時短勤務をしている社員に対して、今後は会社と面談をしたうえで、遅番や土日のシフトにも積極的に入るように制度を変更したのです。
 

女性に優しい会社として有名であった資生堂が、育児中の女性社員に土日や遅番の勤務を促したという事態をNHKが「資生堂ショック」と取り上げて、大きな反響を巻き起こしました。
 

「産まない女子」が「産んだ女子」を優遇し過ぎることに反旗を翻したような形になりました。この資生堂ショックに対して、「産まない女子」から賛成の声が、「産んだ女子」から反感の声が上がるなど、賛否両論という形になりました。
 

賃金や待遇が変わらないにも関わらず、自分が産むわけではないのに大きな負担を強いられるのは、社員にとって耐え難い苦痛になっていたのです。
 

逆マタハラを防ぐための資生堂の対策について

資生堂は現場が逆マタハラ状態になっているのを知り、あらたな対策に乗り出しました。
それは、育児中でもそうではなくても社員の勤務体制を改編し、平等なシフトやノルマを与えることにしたのです。
 

しかし、それでは今まで仕事と育児を両立していた社員の生活が崩れてしまうので、他の代替策を考えました。
社員すべての働き方が同じになれば、当然のごとく育児の時間が取れなくなってしまいます。
それを防ぐために、子どもに対応できる育児サービスの利用などを福利厚生に組み入れました。
 

また、家族の育児協力度合いについての調査をし、それをシフトに反映するという取り組みなども行っています。
このように、どの社員も平等な働き方をすることで、資生堂は逆マタハラの予防を想定しています。
ただ、子育て中の社員にとっては受け入れづらい面もあり、この改編には賛否両論の意見があるといわれています。
 

逆マタハラを予防する企業の対策とは

子育て支援制度を利用している社員の様子に目を向ける

資生堂以外の企業でも、逆マタハラが起こる可能性は十分にあり得ます。
それを予防するためには、企業の上司や役員などが社員に対して、より関心を持つことが必要です。
 

もちろん、企業側は産休や育休などの子育て支援を充実させなければなりません。そして、社員も子育て支援制度を利用する権利があります。
 

しかし、社員自身が制度を健全に利用しているのか、乱用している傾向がないかなどについて、会社側も気を付けて見守っておくことが大切です。
 

そのため、利用者の上司などがときどき面談を行い、妊娠中の様子や育児の状況を把握したり、相談にのったりする機会を設けることが大切です。
 

また、就業規則などで、〇回以上子育て支援サービスを利用しないということや、利用できる基準を明確に定める方法もあります。
ただ、社員に強制するような内容ではなく、過度な利用を防ぐことを明記したものを作ると良いでしょう。
 

フォローする上司・現場社員の評価・休暇制度の見直し

逆マタハラで社員が疲弊する理由の一つとして、抜けた穴をフォローして負担が増大したことに対して、対価や見返りがないことが挙げられます。
 

フォローする上司や現場社員の評価の見直し、フォロー分の対価をきちんと評価や給料に反映するような制度や仕組みが必要です。
 

結婚や妊娠が当たり前ではなくなった、現代社会においては、望まない社員にも長期休暇が取得できるような制度も、制度の公平性を保つ意味でも検討の余地があるといえます。
 

また、育休・産休を取得する側としても、自分自身が抜けることによって負担が増大することへの負い目が軽減されて、積極的に制度を利用しやすくなるという効果も期待できます。
 

育休や産休などの制度を利用することで、他の社員の負担が増えるのではなく、プラスのメリットがもたらされるような制度設計ができるとベストです。
 

たとえば、育児と仕事の両立実現のためにリモートワーク制度を社内に作ったら、それ以外の社員も全員、リモートワークを利用できるようにするなど、全社員が同様のメリットを享受できるようにすることで、不平や不満から社員が疲弊することも少なくリます。
 

業務の見直しや子育て支援を受けていない社員のプライベートも大切にする

多くの企業では、いつの時代でも妊娠や育児で職場を離れる社員が一定数出てきます。
そして、周りの社員はその穴を埋めるためのフォローが不可欠です。
 

これは、いつでも起こり得ることなので、普段から業務の見直しを行っておくことが大切だと言えます。
 

例えば、今までの仕事のやり方を見直す、不要な業務はないか、優先順位を下げられるものはないかなどです。
 

少しずつでもこれらの内容を整理しておくことで、妊娠や育児中の社員のみならず、他の社員も仕事が効率よく進むことになるでしょう。
 

また、企業側は子育て支援制度を利用していない社員のことも、考えることが重要です。
子育て支援制度を利用している社員は、出産や育児のために時間を割くことが可能となっています。だからこそ、独身やベテラン社員などのプライベートも大切にしようと言う姿勢が必要なのです。
 

小さな子どもを抱えながら仕事をするのは、もちろん大変です。しかし、子どもを持たない、子育て支援を利用していない社員もプライベートを守りながら仕事をするには、大きな努力をしています。
 

そのため、彼らに用事があるときは快く有給を取って良いような雰囲気づくりを心がけたり、残業を減らすような工夫を行っていきましょう。
 

子育て支援制度利用者とそうではない社員の隔たりが少なくなれば、妬みも減り、お互い様だという精神が生まれやすくなります。
 

産む側にスロースタートでの復帰の道を用意してあげる

「わざと保育園に落ちる問題(保育園の不承諾通知歓迎問題)」の背景には、育休から復帰しても仕事と育児の両立が難しく、あえて保育園に落ちることで育休を延ばしているといった状況が考えられます。
 

たとえば、いきなりフルタイムの復帰ではなく、育休復帰後の半年間は、4時間勤務や週3~4日の時短勤務という選択肢があれば、長期での育休を取得しなくても復帰しやすくなると考えられます。
 

産む側が気をつけるべきこと

妊娠をしていると、自らの体へのケアで精一杯になってしまい、周囲への気遣いがおろそかになってしまいがちです。
 

ある程度は、周囲の社員も妊娠への配慮から寛容になるかもしれませんが、度を越した要求や失礼な態度には不快感を禁じえないでしょう。
 

そうなってしまっては、産休・育休明けで復帰しても、職場に居づらくなってしまうかもしれません。
 

そうならないためにも、産む側の社員も自分自身の言動に気を配る必要があるといえます。
 

子供をもたない女性社員に配慮する

妊娠は非常にデリケートな問題です。子供が欲しくてもできない女性社員もいる可能性は十分あります。
 

そういった女性社員のことを考えずに、自らの妊娠を殊更にアピールすることは、意図せずに、悪気がなくても不快感を抱かせてしまう可能性があります。
 

また、嫉妬といった感情を抜きにしても、産まない自分が身を削らなければならない状況というのは、それほど快いものではありません。
 

そういった感情に配慮して、会社内では極力妊娠の話題は避けるようにし、また仕事を負担してくれる周囲の社員への感謝を忘れずに伝えることが、良好な職場を気づく上で重要です。
 

周囲に甘え過ぎていないか検討する

妊娠は基本的には大変おめでたい出来事であり、周囲の社員も祝福をして気を遣ってくれる場合が多いでしょう。
 

その周囲の好意に甘えすぎてしまうことは、結果として「逆マタハラ」につながってしまう可能性があるので注意をしましょう。
 

自らの被害者感情のみを優先して、周囲への配慮を欠いてしまうことは長期的な関係に悪い影響を与えてしまいます。
 

周囲の社員からの好意を当たり前のことと考えずに、感謝やお礼を忘れないことが逆マタハラを防ぐうえで非常に重要になってきます。
 

フォローする同僚が気をつけたいこと

逆マタハラを防いで、職場の良好な雰囲気を保つには、産む側とサポートする側の互いの歩み寄りが必要不可欠です。
 

多少は負担が増えるかもしれませんが、裏で陰口を言ったり、悪態をついたりなどはしないようにしましょう。
 

妊娠をしたことがない社員の方は、どれだけの大変さかは中々理解しづらいかと思いますが、ネットなどで情報を調べればにある程度、妊娠中の大変さを理解することはできます。
 

「自分が産むわけではないのに・・・」などと考えずに、相互理解に務めることが、働きやすい職場環境を作り出す上で不可欠の要素といえます。
 

まとめ

マタハラのことはある程度理解していても、逆マタハラに関してはまだまだ認知が低い企業もあることでしょう。
 

女性社員が仕事も育児もあきらめなくて良いしくみを整えることは、大変意義があるものです。しかし、仕事と育児の両立が進めば、彼らの陰で苦労しなければならない社員も出てきます。
 

その分かりにくいしわ寄せが、逆マタハラにつながってしまうのです。
 

逆マタハラを解決しなければ、仕事のしわ寄せによって「婚活する暇がなくなった」「子どもを持つ余裕がない」という、産まない側の社員の生活に大きな影を落とし、社会的にもさらなる少子化を招きかねません。
 

このような事態を防ぐためにも、企業は子育て支援制度利用者を大切にしつつも、それ以外の社員の気持ちや業務整理に目を向ける必要であり、また、サポートする現場の社員と産む側の相互理解も必要不可欠です。
 

互いに自分自身の感情を優先させるのではんく、必、相手の立場に立ちつつ、互いに配慮や感謝を忘れずに接することが重要です。
 

そうすることで、良好な職場環境を維持することができ、逆マタハラの発生しない職場環境を作ることができるのではないでしょうか。

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